日本産アロマは、yuicaの生みの親 稲本正先生との出逢いから
15年以上、主に海外の精油を扱ってきました。
ローズの精油によって生きる力を取り戻した方
ローレルの精油によって生きがいを見つけた方
その度に、植物が生み出す香りにどうしてこんなに力があるのだろう?
ずっと考え続けていました。
その反面、乱獲による絶滅の危機にさらされる植物達。
インドのサンダルウッド、そして、ブラジルのローズウッド。
それらが入手困難になり始めた頃から、精油は、
本当に必要とする方に、必要な精油を、必要な量だけ、大切にお届けするべきではないかと思い始めました。
そして2010年。ある農場研修で、偶然、稲本先生にお会いしました。
自らブラジルアマゾンに足を運び、ローズウッドの現状を目の当たりにされた稲本先生。
日本の森から精油の材料を採取するにあたっては、種の保存と環境保全を一番に考えているという、その言葉にはとても説得力がありました。
その4年後の2015年に、稲本先生よりお誘いを頂き飛騨高山へ。
精油はビンに入っていると「アロマオイル」と呼ばれる「香りの雑貨」のような錯覚を起こします。
しかし、精油はアロマオイルではなく、植物の命の営みである「エッセンシャルオイル」です。
今まで様々な場所で蒸留の様子を見て来ましたが、yuicaの抽出場で見た蒸留したての精油の美しさに心から感動しました。その精油は、太陽の光を受け、黄金に輝いていました。
あらためて、精油は植物達が生きるための営みとして作り出したものであること。
私達人間は、自然界の恵みを心身の健康のために使わせて頂いている。それを心から感じた瞬間でした
アロマに関わる方達が「ビンに入った精油」からアロマに入った方が多くいます。
それ故。ともすると、精油が植物からの恵みであることを忘れそうになります。
稲本先生に出逢ってから、確実に世界が広がりました。森をフィールドとする杣人と呼ばれる方、樹木医、養蜂家、木工家、木質バイオマスの専門家。農学博士など、今までのアロマの世界では、とうてい出逢うことのなかった分野の方々との出逢いです。
私達はアロマセラピーが専門でありアロマセラピストです。
あらためて立ち位置を確認できた今、西洋のアロマの素晴らしい伝承を尊重しつつ、
日本の豊かな自然の香りを皆様にお伝えすることが役割と感じるようになりました。
そして、アロマセラピーで使用する精油は、植物自身が生きていくための営みから生み出されるものであり、原料である植物そのものをきちんと理解すること。そして自然に還元するために何をすべきかを考え行動すること。それが、今、必要なのではと思っています。